「好き」と「嫌い」の狭間に在る、“壁”。 肉体はこんなに近いのに、心は“壁”に阻まれている。 【Like or Love】
「好きだよ」 また、だ。休み時間の騒めき。掻き分け聞こえ来る、いつものコトバ。 僕が返すのは、溜め息ばかり。『いい加減にしろ』、とでも云いたげに、目もくれず。 彼にとって、「好き」は口癖のようなモノ。幼い頃から聞き飽きた、意味のないコトバ。ただの、挨拶みたいだ。 僕が想っている「好き」とはかけ離れスギて、話にもならない。 そんなトコロからすると、彼は「嫌い」だ。価値観の違いは人間の違い。どうにもならない。 だけど、そんなトコロもひっくるめて、僕は彼が「好き」なのかもしれない。「好き」と何気に云えてしまう、素直さ。気持ちのストレートさが僕には、ない。 反応に落胆する彼を見るのも、結構「好き」。 フッ、と微笑って一言溜め息につけ足した。 「好きだよ」 ただし、彼の「好き」とは異なる「Love」の「好き」。僕の気持ち…。 やはり、彼の笑顔が1番「好き」。 僕と彼に在る“壁”は、まだ厚い。けれど、いつかはそんな“壁”も壊していける。 その時が来たら、云うよ。 素直に。 |
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