それはある雨の日の事。 いつもと変わらない通学路で。 この日、初めて君に出逢った気がした。 鮮やかなカラーの世界で生きてきた。 友達も。家族も。他人も。建物も。名も知らない花も。その全てを言葉に出来ない程の色を持っている。 それが当たり前だと思っていた。 それが“世界”だと思っていた。 だけど。1つだけ、カラーじゃないモノが時々視界に入る。 こんなにも鮮やかな世界で、君だけはモノクロ。 名前も知らなかったクラスメイト。 君がモノクロだと、周りも色褪せたように見えた。 いつからか、この“世界”もモノクロのように思えた。 ある雨の日。 カラーの世界がモノクロに沈む時。 初めてカラーの君に出逢った。 *********************************
授業で書いたモノ。
イメージ的には『もし普通の高校生だったら』の鰤のイチウリ。 |
ある日少年は蜘蛛の巣にかかった蝶を見つけた。 心優しい少年はその蝶を糸から助け出してあげた。 蝶は不安定な飛行をしながら、ヒラヒラと飛んでいった。 そして蝶は少年に恋をした。 もう1度逢うには、どうしたらいいだろう。 蝶は汚れた翅を休めながら考えた。 そうだ、また危険な目に遭えば、助けてくれる筈だ。 蝶は元気に飛び立った。瀕死なのも忘れて。 そして蝶は蜘蛛の巣に飛び込んだ。 しかしそこにあの少年の姿はない。 人間に恋をした蝶は愚かだったのだろうか。 瀕死の蝶を助けた少年の純粋さは残酷だったのだろうか。 ――答えは誰も知らない。誰も。 *********************************
授業で書いたモノその2。童話風?
イメージはテニの宍滝。実は滝は蝶なんだよ話に使おうと思って。悲恋にするつもりはないけど。 |
もし明日この地球が失くなっても。 僕は君にどれ程の想いを伝える事ができるだろう。 ――きっと伝えきれずに明日を迎える。 もし明日世界が闇に包まれたとしたら。 僕は君をすぐに見つける事ができるだろうか。 ――否、離れないようにずっと側に居よう。 もし明日僕がこの世から去るとしたら。 君は僕が居なくなった事に気づいてくれるだろうか。 ――笑って笑って笑って笑って。…でも泣いてほしい。 もし明日この地球が失くなったとしても。 僕が君を好きなのは生涯変わる事はないから。 ――君となら、死ぬ事も怖くは無い。 *********************************
授業で書いたモノ3。
神ヒヨ・あと1週間で地球が失くなる話のイメージ詩。 |
人間は誰でも生まれてくる前の記憶を忘れるけど。 それは忘れているのではなく、思い出せないだけで。 また一生を終えれば、その夢の続きを見る為に眠りに着く。 とても温かで柔らかな、静かに澱む夢の中へと。 それは水のようで、空気のよう。 浮遊感に漂う意識は墜ちているような浮上しているような。 緩やかな時間が流れ、流れすぎて時間を緩やかにする。 憶えている必要はないのかもしれない。 それは役目を果たした者にだけ許された、ただ1つ安らぎの場。 *********************************
授業で書いたモノ4。
ALI PROJECTの『水月鏡花』の雰囲気で書こうと試みたけど何かが違った。 |
「放して」 この忌まわしき身体は君に触れる事さえ許してはくれない。 触れれば無数の棘が皆の肌を傷つける。鋭く細かい痛みが恐怖を生む。 蔑まれ、疎まれ続けられてきた。 嗚呼、なのに何故。 「放してよ、」 “触れられる”のは、生きてきた中で何回も経験している。その度に気味悪がれてきた。 だがこの身体を知った上での“触れられる”という行為は――。 振り解く事も、抱き締め返す事も出来ない。 動けば唯でさえ広範囲に刺さって痛い筈なのに、更に苦しめてしまう。 「…お願いだから」 放して。お願いだから。 でないと、思い上がり易いこの身体は君に縋ってしまいそうで。 1度裏切られたその言葉を信じかけているのが、怖い。 *********************************
突発的に書いた赤チャのラスカル×バラバラマン。
ラスカル先生ならバラバラマン先生の体質だって平気。 |
彼は違う国の人間だった。 彼は違う次元の人間だった。 違うことが悪だと云うのなら、どうして人は違うモノと共存する事が出来るのだろうか。 彼は同じ性を持った人間だった。 彼は同じ村の人間だった。 同じ事が罪だと云うのなら、どうして人は皆同じになろうとするのだろうか。 僕たちはただ人を愛しただけなのに。 どうして引き裂かれる事が許されているのだろう。 それを嘆き、怒り、何かの所為にするのは簡単だ。 自分に非があるという事を認めていたとしても、誰かの所為にすれば気に済むのだろうか。 否。断じて否だ。 その誰かを憎んだとしても。 その誰かを殺したとしても。 この憤りは、悲しみは、癒える事はないのだろう。 例え君をこの手にかけようとも、僕たちが結ばれる訳ではない。 例え君をこの手で守り抜こうとも、平穏が僕たちに訪れる訳ではない。 それを判っていながら、何も出来ず互いを抱いてただ佇むのみ。 無力な僕ら。戦う術を持たぬ僕ら。 だから、引き裂かれるのを黙ってみていろと云うのか? そんな事出来る筈はない。 周りの理不尽に屈したりはしない。 ただ抗えるだけの力がない。 君を守れる力がない。 力が欲しい。 僕たちの行く手を遮る全てのモノを振り払う力が欲しい。 そんな君を守り抜く力が。 力を得て。この地から去り。何処か遠くへ。 あの碧の向こう側に、どんな世界があるかなんて知らないけれど。 君と一緒なら、何処だって楽園なのだから。 *********************************
確か幻水IIの『Du e Fiumi~2つの川』を聴いて思いついたモノ。
テニパロ・貴族リョーマ×平民裕太のイメージ。 |